株式会社三越伊勢丹 立川店 北川 竜也 店長「溢れる可能性を自覚し、地域と共に歩みたい」
立川と北川さんの関わりについて
2023年3月、「百貨店での現場経験がない」という異例の人事で、立川店の店長に着任した北川さん。
人口430万人という多摩地域の稀有なポテンシャルの高さを俯瞰し、立川の街、その中での百貨店が目指すべき姿を語ってくれた。
大学卒業後、国連のサポートを行うNGOで国連関連のプロジェクトに参画。右も左もわからぬ中、無我夢中に取り組んだ。3年の後、「このまま国際政治の道か、ビジネスの世界へ行くか」と悩む中、一冊の本に出合う。当時では先進的な企業風土を根本から変えていく手法に感銘を受け、執筆者であったコンサルティング会社の社長の下へ。ビジネスの世界へのめりこみ4年経つと、同社の執行役員として経営にも携わった。
29才の頃、知人の紹介で出会ったソニー元社長の出井伸之さんから、退任後に新たに立ち上げたベンチャーキャピタルを行う新会社への誘いを受ける。出井さんと共に、新規事業の立ち上げや大規模なカンファレンスの企画など世界中を飛びまわるなど、「私の人生にとって、とんでもない経験となった」と当時を振り返る。
伊勢丹の社長と出会ったのは36才の頃。「ゼロから一を生み出す様々な分野のクリエイターに資本の還流を作る」、という、「百貨店の社会的意義」を強く感じ、他分野からの人材を求めていた同社への入社を決めた。
本社勤務など経て、立川店店長に着任。既成概念にとらわれず10年後、20年後を見据えた、新しい百貨店の在り方を模索する。
立川での思い出や、これからの立川への期待は?
「可能性に溢れる地域であることを自覚し、立川、西東京という地域に今後どう貢献していくか。街と人たちと一緒に考え、進めていく。その一体感が大切。東京西部のゲートウェイとして、また都民の豊かな生活の入口として、あるべき街、あるべき百貨店を目指していきたい」と力強く話してくれた。
(取材:高木 誠)
