Interview 会員インタビュー

立川市商店街連合会 五十嵐 陸夫 理事長

「商売人に囲まれ育ち、事業者の笑顔のために尽力」

立川市内22の商店街、事業所数では1000を超える立川市商店街連合会。
五十嵐さんは、その第6代理事長として職務に尽力する。

立川生まれ、立川育ち。古くは江戸時代から立川に根付き、造り酒屋を営んでいたこともある、商売一筋の家に育った。
父親は、勤勉で工業系の学校を卒業し、立川飛行機に入社。戦闘機の検査技師を勤め、第二次世界大戦にも出兵した。
戦後、荒れ果てた日本を見て「これから大きく価値観が変わる」と、改めて勉強の必要性を感じ、中央大学へ入学。卒業後は立川の南口に書店を開業し、五十嵐さんは、そんな書店で本に囲まれ育った。

幼少期、住居と店舗が一緒だった商店が軒を連ね、ご近所さんは皆、商売人。当たり前の様に立川で商売をする大人たちに囲まれていた。
大型店の出店などもあり、五十嵐さんの代で書店を閉めることを決意し、飲食店の世界へ挑戦する。

千葉県館山市の蕎麦店で住み込みで2年修行し、地元で念願の店舗をオープンさせた。
日々、蕎麦と向き合い、悪戦苦闘を繰り返す中、「お客さんの『おいしいよ』の言葉で、それまでの苦労が何倍にもなって返ってくる仕事。やった分、喜んでもらえる商売にやりがいを感じた」と当時を振り返る。
「連合会、商店街でのやりがいも、会員の皆さんが笑って、喜んでくれること。これに尽きる」と目を細め話す。

一方、「長年、味や文化、技を守りやってこられたお店がなくなってしまうことも多く目の当たりにし、本当に寂しい。お互いが協力し合うことが、今後さらに求められている」と話す。
「大手ではない街独自の決済のシステムを作るなど、事業者の皆が同じデータを共有して、同じ視点を持つことが大切。皆と同じ方向を見て取り組むことに、今後さらに力を入れていきたい」と今後の意気込みを語ってくれた。

(取材:高木 誠)

立川市商店街連合会 五十嵐 陸夫 理事長