Interview 会員インタビュー

株式会社JTB 東京多摩支店 支店長 芳野 忠司

広域をつなげた提案で、他では類を見ない可能性秘める

最盛期、全国で3万人近くの社員を擁した「JTB」。そんな時代、法人営業として多い時で年間約100のツアーをこなし、1日に3つのツアーを同時に行うなど芳野さんは走り回った。30年ほど経った今、「地元から外の地域へ人を送る時代」から「外から自分たちの地域へ呼びこむ時代」へと事業も大きく転換。芳野さんは、「立川をゲートウェイとする構想は、他地域では類を見ない高いポテンシャルを持っている」と力強く話す。
平成4年に同社へ入社し、柏支店の法人営業の担当として顧客との交流を深める一方、当時は自治体や観光協会などとのつながりを持つ機会もほとんどなかった。
同社が大きく変わったのは2006年の分社化。関東や東北、北海道などエリアごとに分社化されたことで、地域からの旅や観光に関する相談が多く寄せられた。「地域の人たちがJTBを、自分たちの地域の会社と思ってくれた。我々も地域に対してどういう支援ができるかを、考え始めるきっかけとなった」と振り返る。
観光業にとって未曾有の危機となったコロナがあけた2024年、東京多摩支店長に着任。今後の事業や、それを行う自分たちの地域を改めて見直す中、立川をゲートシティとした広域連携の構想に期待を寄せる。だが多摩地域の魅力的なコンテンツをつなげた来訪者への提案が、まだまだ不足しており「広域でつながる提案を実現、支援する観光型MaaSを構築するのが、当社の役目だと思う。まずはその道筋をつけたい」と芳野さんは意気込む。
「確かに他の観光地と比べ、多摩地域はPR力が弱い。だが優秀なプレイヤーが多く点在する特性を持つ。そうした人、団体、企業が同じ方向へ一本化していけば、他の地域にはない大きなパワーを発揮すると思う」と、新しく生まれる他地域との連携に期待を込めた。

株式会社JTB 東京多摩支店 支店長 芳野 忠司