Interview 会員インタビュー

SORANO HOTEL総支配人 中園純二

立川で描く"ローカルラグジュアリー"の未来

ラグジュアリーでありながら自然と調和した空間づくりで、注目を集める「SORANO HOTEL」。2024年4月総支配人に着任した中園純二さんは、九州のホテルマンとしてスタートし、地方ホテルの再生から都市型ホテルのマネジメントまで、これまでのキャリアは多岐にわたる。
農業高校に通い、将来は北海道で酪農に従事することを夢見ていた中園さん。だが在学中に国際親善派遣で訪れたシンガポールで一変した。「滞在したホテルが、本当に美しく、すっかり魅了された」と当時を振り返る。内定を得ていた酪農・農業の道を断ち、ホテル業界に飛び込む。長崎の「ハウステンボス」ではフレンチレストランなどでサービスを学び、ソムリエの資格も取得。福岡に進出することになった名店「聘珍樓(へいちんろう)」の立ち上げ、鹿児島のリゾートホテル支配人など、九州を拠点に経験を重ねていった。「当時は九州に骨をうずめるつもりでしたから」と中園さんは笑顔で話す。
そんな中、転機は再び訪れる。「立川で新しいホテルを立ち上げるが、サービス部門で力を貸してほしい」と元上司からの誘い。初めて訪れた立川は、緑が多く、空が広い。そして何より、富士山がこんなに大きく見える場所が東京にあることが「衝撃的だった」という。2020年、コロナ禍の中、SORANO HOTELへの参画を決めた。
「これまでのホテルは外からしか人を呼べないエリアだったため、必死になって地域の人たちと取り組んできた」と中園さん。「多摩にはまだまだ知られていない"ローカルラグジュアリー"がある。地域の人と一緒に掘り起こし、つなげる拠点=ハブになりたい」と意気込む。今では多摩地域からのリピーターも多く、「支配人さん!」と声をかけてくれる常連客も増えた。「それが何より一番嬉しいですね」と目を細め話してくれた。

SORANO HOTEL総支配人 中園純二