株式会社ジェイコム東京 多摩局/八王子 日野局 局長 葛西 昭人
「地域とともに、次の観光をつくる」 メディアがつなぐ地域の力
これまで多摩地域13の自治体をカバーする局長を歴任し2025年4月、多摩局局長に就任。機構改正により、八王子・日野局長も兼任し現在、9自治体を担当する。「これだけ多摩地域に特化して局長を務めてきた人は、なかなかいないでしょうね」と笑顔で話す。
大阪府出身。市役所勤務の両親のもとで育ち、父親は社会教育や地域活性化を目的とした団体設立などに奔走していた。週末も仕事が多く、子どもの頃はあまり一緒に遊んでもらった記憶がないという。そんな両親の姿を見て育った葛西さんは大学卒業後、一般企業でのキャリアを志し、金融業界へ。法人営業や商品企画など、約20年間にわたり経験を積んだ。
目先の数字や目標を追う毎日。ずっと胸の内にあった、父の背中、「地域と向き合い、夢や感動を与える仕事への憧れ」が次第に大きなものになっていった。2012年、同社の局長募集を知り、一念発起。まったく異業種となる同社への転職を決めた。
人々の暮らしやつながりが色濃く残る多摩地域。これまで関わることのなかったさまざまな地域のステークホルダーとの出会いに、最初は戸惑いもあった。「常に意識していたのは、地域から『ありがとう』と言ってもらえる存在になること。どれだけ誠意を持って向き合えるかだけを考えていた」と振り返る。
立川の街の人々との交流を通じて感じるのは、「地域の人々が同じ方向を向いて、力強く歩んでいる」こと。つながりの強さと、そこから生まれる熱量に、心から驚かされたという。「社会が急激に変化し、課題が山積する今、立川だけで地域全体を支えるのは難しい。立川の持つ熱量をハブとした広域連携が不可欠。その機運造成の一役を担えるよう、地域に寄り添った発信を、一歩ずつ丁寧に積み重ねていきたい」。そう力強く、今後の抱負を語ってくれた。
