真如苑 総本部 教務長代理 宮沢 健治
「誰もが、心打たれる立川に」 来訪者と町を結ぶパイプ役目指す
設立から今年で89年を迎える真如苑。今では多い時には1日に1万人が参拝に訪れる。運営に携わり現在、教務長代理を担う宮沢さんは語る。「ただ信仰を深めるだけでなく、訪れる誰もが心打たれ、また心が晴れるような立川でありたい。そしてそれが、開祖の願いでもある」。
同法人は、立川飛行機株式会社で航空技術に携わっていた開祖・伊藤真乗さんが、妻・友司さんとともに仏の道を歩む決意をしたことから始まった。戦争の気配が強まる中、「人々のためになりたい」という思いのもと、京都の醍醐寺で修行を重ね、小さなお堂「真澄寺」を立川に開いた。
宮沢さんは都内の信用金庫に15年勤めた後、37歳で真如苑に奉職。以後、財務・総務・人事など様々な部署で、事務方として長年運営に携わり、組織の土台づくりに心血を注ぎ続けてきた。特に気を配ってきたのは地域との関係。商店街と協力し、信徒が立川の商店街を訪れた際、安心して地元商店を巡れるよう、商店街と共に「真如苑協力店」登録企画で地図や案内パンフレットを配布し、地域活性化を図るなど、様々な取り組みも積極的に行ってきた。過去、大阪に別院を開所する際、一部住民から不安の声があがったことがある。その人たちが総本部のある立川を視察に訪れ、地域の人たちとの温かい交流や協力体制などを目の当たりにし、安心して帰ったエピソードもあるという。「私がここに顔を出すと、地元の方たちが“宮沢!”と声をかけてくれる。そういった人との繋がりが、何より嬉しいのです」と宮沢さんは目を細める。「全国、海外から多くの人が総本部を訪れる。信仰の場としてだけでなく、“立川愛”を持った地元の人たちと、訪れる人たちとの間の、温かいパイプ役であり続けたい」と、笑顔で話してくれた。